2013年06月01日

エコハウスのウソ

前 真之(著)『エコハウスのウソ』(日経BP社、2012年)

京大学大学院工学系研究科建築学専攻准教授の前(まえ)真之さんを初めて知ったのは、5/27(月)に放送した放送大学「新しい住宅の世界」の「エコハウス」の講義に登場したとき、その後、竹内昌義・森みわ(著)『図解 エコハウス』(エクスナレッジ、2012年)の「エコハウスについてみんなで話そう」の章にも登場していた。

彼の書いた『エコハウスのウソ』は、けっこう物議をかもした書物なので、買って読んでみた。

その主張は、いわゆる「エコハウス」と呼ばれているものには、真のエコハウスと呼べるものは意外と少なく、問題をかかえている、ということだ。とくに、「大開口」と「吹抜け」については、その問題点を217ページにまとめている。


このなかでも「大量の日射は冬でもオーバーヒートに」の部分は、2階と3階に「大開口」をつくってしまったわが家でも気になる。もっとも、わが家の場合、2.4m×1.8m=4.32㎡(2階)と2.0m×1.8m=3.6㎡(3階)の開口なので、下図の「普通の窓の家」の開口(1.6m×1.4m×2=4.48㎡)より小さいんだが…。w

RC造(鉄筋コンクリート造)の場合、大開口(大窓)があっても、コンクリートの熱容量が大きいので、昼は日射熱を吸収し、夜はその熱を放出してくれるので、オーバーヒートにはならない(下図3)。


前掲書80ページ


しかし、木造だと、熱容量がないので、大開口からの日射熱でオーバーヒートしてしまう(上図2)。ふつうの窓ならそうならない(上図1)。

まったくそのとおり。某局の超長寿お宅拝見番組なんかを見ていると、ときどき信じられない大開口を拝見できたりする。今朝やっていたのは、な・ぜ・か、中庭に面した庇のない南面大開口だった。太陽高度の低い冬、どうやって日射を確保するんだろうか?とか、夏の日差しはどうやって遮るんだろうか?などと思い悩んでしまう。夏の日差し怖さにわざわざ南面の庇を300mmから750mmに伸ばしてもらったオイラの「小心さ」をあざ笑うかのような番組だった。w


あと、「吹抜けは最高?」の部分では、吹抜けは「暖房するのが非常にやっかい」で、「温風が床に届かずムダが多い」というのだ。


前掲書88ページ


ホントにそのとおりなんだけど、ちょっとツッコミどころがあって、シーリング・ファンは付いてないの?と尋ねたい。わが家の吹抜けは、幅が30cmしかないので、シーリングファンは付けられなかったが、大きな吹抜けのある家には、エコハウスに限らず、シーリング・ファンが付いている。これを使ったとき、どうなるか載っていないのは、ちょっとズルイなと思った。

しかし、全体的には、「エコハウス」のもつ問題点を指摘し、真のエコハウスはどういうものかを考えるうえでたいへん役立つ本である。


posted by 王子のきつね at 20:00| Comment(0) | 書籍・ソフト・メディア | 更新情報をチェックする
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