2013年11月30日

エコハウスは嫌い

11/29(金)に放送された「渡辺篤史の建もの探訪」で紹介された、千葉県佐倉市・平井邸がソーラーハウスであることが、しっかりスルーされていた。w

千葉県佐倉市・平井邸 ―2つの庭を包むH型の平屋―

難波和彦氏によると、建築家はエコハウスが嫌いらしい。

  エネルギーの問題は、住宅にとって、今や緊急の課題であるにもかかわらず、省エネルギーでエコロジカルな住宅というテーマ、すなわちエコハウスに正面から取り組んでいる建築家は意外と少ない。若い建築家の多くは、エコロジカルな住宅というテーマに対して、一種のアレルギーをもっているように見える。それはなぜだろうか。最大の理由は、エコハウスがあまりにも正しいテーマである点にある。正しいことがわかりきっているテーマのことを、一般にはPC(Political Correctness 政治的正義)という。つまり、エコハウスというテーマは正真正銘のPCなのである。デザインの特異性を追求する建築家にとって、あまりにも正しいテーマは、建築家としての売り物にはなりにくい。建築家としてのアイデンティティは、世の中の大勢に与しないことだから、エコハウスに対して批判的な態度をとる方が、建築家のアイデンティティにふさわしいというわけである。

難波和彦(著)『新しい住宅の世界』(放送大学教育振興会、2013年)141~142ページ

デザインの特異性を追求するあまり、どう考えても住みにくいだろう、と思える住宅をつぎつぎと紹介してきた番組なので、紹介する住宅がソーラーハウスであることは「番組の売り物」にはならず、スルーするのは「番組のアイデンティティにふさわしい」というわけなんだろう。w

では、この平井邸はどんなソーラーハウスなのか、OMソーラーの考案者である奥村昭雄氏に、さまざまな部材を提供してきた友良平氏の環境創機株式会社の《そよ風》というソーラーハウスだった。

施工例62 平屋の家

この《そよ風》は、OMソーラーの「シンプル版」といったものらしい。冬は、屋根で集熱し、その空気をダクトを使って床下に強制的に熱移動させ、土間コンクリートに蓄熱する。夏は、夜間、屋根で放射冷却させ、その空気で土間コンクリートを蓄冷する。OMソーラーとほぼ同じシステムだ。

《そよ風》とパッシブデザイン

OMソーラーとのちがいは、OMソーラーがOMソーラー株式会社というクローズドなシステムであるのに対して、オープンなシステムとしている点だ。

OMソーラーとの関係は「《そよ風》ヒストリー」、《そよ風》のしくみは「《そよ風》とは?」を参照してね。

《そよ風》ヒストリー

《そよ風》とは?

以前、シロアリ問題でOMソーラーに批判的だったけれど、

OMソーラーの家とシロアリ

実際、新居で暮らしてみると、必ずしも、暖かい空気は上昇せず、冷たい空気も下降しないという現実に直面し、家全体の温度管理が意外と難しいので、強制的に熱移動が行えるOMソーラーを含めたソーラーシステムは再評価すべきだと思った。


posted by 王子のきつね at 10:30| Comment(0) | 書籍・ソフト・メディア | 更新情報をチェックする
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