ようやく最後まで読める西方さんの本が出ました。w だって『外断熱が危ない!』(エクスナレッジ、2002年)や『最高の断熱・エコ住宅をつくる方法』(エクスナレッジ、2009年)は、最後まで読めなかったんだもん。wwwww
断熱方法には○○と××があって、○○のメリットは△△でデメリットは□□、一方、××のメリットとデメリットは…。さらに、その組み合わせは…。こんな感じの文章が延々続くので、論敵wの松井修三さんとちがって、読むのがキツイ。でも、内容は重要なので、がんばって拾い読みしました。w
しかし、今回のはちがいます! 読みやすい。編集者ががんばったのではないかと…。wwwww
全体の構成は以下のとおり。
1.事例
2.概論
3.設計
4.設備
「1.事例」では、西方さんが手がけた12の事例が載っています。その一つがこれ。
▼Jパッシブハウスさいたま
外観だけだけど、実際に見てきました(かなり前だけどw)。
「2.概論」では、なぜ(高)断熱・(高)気密住宅がよいのか、どれくらい断熱性能が必要なのか、パッシブハウスとはなにか、が論じられています。西方さんは、関東以西の地域温暖(Ⅳ・Ⅴ・Ⅵ地域)でも、エネルギー消費を減らせるため、断熱・気密住宅が必要だと論じています。
「3.設計」「4.設備」では、そのためにどんな設計と設備が必要かを論じています。温暖地域では、Q値を1.3W/㎡Kにすると、それほど高度な技術を必要としないで、かなりの省エネルギーを実現できるので、まず、それを目指すべきと主張しております。
しかし、いくつか疑問の点も…。
まず、基礎断熱が重要である、との主張は正しいと思うのですが、砂利の上の土間防湿シートを敷設して、その上に断熱材を敷き込むのは、いかに防蟻処理されているとはいえ、シロアリの被害を受けるのではないかと心配になった。
あと、床下エアコンを使うために、基礎がけっこうスカスカなんだけど、耐震強度が弱いんじゃないかと心配になった。
いずれにしても、西方さんの本の中ではもっとも読みやすいので、一読の価値ありです。