2014年01月20日

板倉の家は断熱性能が悪そう

1/19(日)、TBS「夢の扉+」で、筑波大学名誉教授・安藤邦廣さんの「板倉の家」が紹介された。


伊勢神宮や正倉院にも用いられている伝統の建築技術が、今、現代の家作りによみがえろうとしている―。

1000年以上にわたって、風雪や地震から大切な宝物を守り続けてきた「倉」。そこに使われている木造建築技術「板倉構法」に、現代の技術を融合させて、21世紀の家作りの現場に、新たな息吹を吹き込もうとしているのが、筑波大学名誉教授の安藤邦廣、65歳。安藤は、断熱材や合板などを使用せず、ほぼ木材のみで作り上げる、“現代版・板倉構法”を考案。木材の持つ優れた断熱性、調湿性に加えて、その特性をいかして、震度7以上にも耐える耐震性と防火構造をも実現した。

安藤が生み出すのは、温もりのある快適な居住環境だけではない。“板倉の家”は、国産木材の需要復活で日本の森林を再生させ、新たな産業を生み、さらに、地域の人たちを結びつけるという。

『単なる家作りじゃない。地域作りの始まり。日本の地域社会を救うことができる―』そして安藤は、被災地・南三陸で、板倉構法による家作りを開始した。そこに響く“希望の音”、安藤が思い描く“未来の設計図”とは―?

1000年超、宝物を守った木造建築技術を現代に! 21世紀の家作り~五感に響く“呼吸する家”

「震度7以上」って、震度は7までしかないんだが…。果たして、筋かいや構造用合板を使わない“板倉の家”が震度7に耐えられるのか、はなはだ疑問だ。

こちらのサイトによると、

耐震性能::100年住まう 板倉の家 木魂|栗田建築設計事務所

板倉の家の壁倍率(耐力壁の強さを示す数値)は、真壁(幅182cm)で1.1倍、同(90cm)で2.2倍、大壁(幅182cm)で0.7倍、同(91cm)で1.4倍である。

筋かいは、45×90(mm)以上だと2.0倍、90×90(mm)以上だと3.0倍になり、構造用合板(12mm)は3.5~4.0倍になる。これらを両面に使うと数値は2倍になるが、5倍が上限値なので、それ以上にはならない。

これらと比べると、板倉の家の耐震性は貧弱だと思うが、壁がたわむことで制震性があるとも主張しているので、施主の自己責任ってことになるのかな?


防火構造は問題ないようだ。建築基準法は、木造2階建住宅の外壁に、(1)外壁が容易に崩壊・亀裂を起こさない「非損傷性」と、(2)外壁の裏面(屋内)の温度が容易に上昇して内部に延焼しない「遮熱性」の2つを要求していおり、この2つの性能を30分間持つ外壁を防火構造と呼ぶ。要は、(1)人が避難するまで倒れないことと、(2)隣家の火災が消火されるまで「もらい火」をしないことが要求されている。板倉の家は、木製壁の表面が炭化して中心部が燃えないことで、この2つをクリアしている。

防火性能::100年住まう 板倉の家 木魂|栗田建築設計事務所

でも、石膏ボードのように、それ自体が燃えない素材ではないんだよね。


しかし、断熱性はかなり問題だ。厚さ3センチの杉板を二重に張る壁は、熱貫流率(U値)が2W/㎡・Kなので(杉の熱伝導率を0.12W/(m・K)とした場合)、アルミ樹脂複合サッシ(2.33W/㎡・K未満)とほぼ同じである。これは、一般的な断熱材であるグラスウール10Kを10cm厚で敷き込んだ場合(0.5W/㎡・K)の4倍もあり、断熱性はかなり悪い。

ちなみに、オイラの部屋がなかなか暖かくならない問題について書いてきたが、原因は北側の大開口(アルミ樹脂複合サッシ)であることが判明した。たて型ブラインドで覆うと、エアコンの効きがすこし良くなるので、ほぼまちがいないだろう。現在、ハニカム構造・断熱ブラインドの設置を考えている。orz

ぜんぜん関係ないけど、内張り断熱の場合、構造材の熱貫流率が1W/㎡・Kくらいあるので(柱が12cm角の場合)、やはりヒートブリッジになってしまうと思った。でも、断熱材がグラスウール24Kの厚さ12cmだったら、U値が0.32W/㎡・Kしかないので、相殺されてQ値はかなり低くなるんだろうな。ちなみに、わが家の外断熱材(カネライトフォームBK厚さ50mm)は0.56W/㎡・Kもある。一般的な断熱材に負けてるじゃん。orz

   熱貫流値(U値)=1÷(断熱材の厚さ[m]÷熱伝導率[W/(m・K)])


posted by 王子のきつね at 19:00| Comment(2) | 書籍・ソフト・メディア | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
板倉の家も長期優良住宅で設計すれば断熱性能は一般の木造軸組工法と比べると機密性・断熱性・快適性は優れていますよ
Posted by MM設計事務所 at 2015年02月11日 17:51
むしろ、どうすれば長期優良住宅(次世代省エネルギー仕様)になるのか、こっちが知りたいです。
Posted by 王子のきつね at 2015年08月14日 11:58
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