2014年02月04日

外皮の熱性能基準が変わった!

改正された外皮の熱性能基準が果たしてエコにつながるのか、考えてみた。

昨年1月31日に改正された省エネ基準が、非住宅で4月1日、住宅で10月1日に施行された。ちなみに、4月30日に引き渡されたわが家はその対象外である。

内容は、

  1.地域区分が6地域(Ⅰ~Ⅵ)から8地域(1~8)になった。
  2.外皮の熱性能基準が、熱損失係数(Q値)と夏期日射取得係数(μ値)から、外皮平均熱貫流率(UA値)と夏期の平均日射熱取得率(ηA値)となった。
  3.新たに外皮熱性能と設備性能を加味した一次エネルギー消費量基準が設けられた。

の3点だ。

オイラの感想は、この改正に対して、「トップランナー基準」の外皮熱性能(Q値1.9)を追及している建築業者の関心は高いが、それ以上(Q値1.3~0.6)の外皮熱性能を追及している建築業者の関心は低い、といったところだ。

昨年の今ごろ、外皮熱性能に関する質問をしたとき、現場監督のTさんが「基準が変わり、新しい基準の方が外皮熱性能を正しく反映するので、(わが家の)住宅性能は上がる」的なことを言っていた。

それはこういうことだ。同じ延べ床面積で形状の異なる家があり、Q値が同じだとする。たとえば、延べ床面積120㎡で建設面積60㎡、Q値=2.0W/㎡・Kという条件だ。一方の家は、幅4m、奥行き15m、高さ6mの細長い2階家。もう一方は、幅8m、奥行き7.5m、高さ6mのほぼ真四角の2階家。屋根の形状はどちらも陸屋根とする(他のでは計算がメンドクサイw)。今までの基準では、Q値が同じなので、外皮熱性能は同じということになる。

新しい基準では、住宅の延べ床面積よりも、表面積が問題になる。





新しい基準だと、建物の形状に関係なく、外皮熱性能を評価できるってわけなのだ。

細長い家の表面積は348㎡なので、UA値は0.69W/㎡・Kとなる。一方、ほぼ真四角の家は、表面積が306㎡なので、UA値は0.78W/㎡・Kとなる。細長い家の方が、ほぼ真四角の家よりも表面積が大きい分、同じQ値になるには、UA値を高く(外皮熱性能を高く)しなければならなかったのだ。

わが家は、幅4m、奥行き11m、高さ9mの3階建てなので、細長い家だ(屋根は傾斜の緩い切妻だが)。だから、新しい基準で住宅性能が高く評価されるってわけなのね。w

ところが、建物の形状を変えれば(表面積を減らせば)、外皮熱性能を抑える=コストダウンしても、同じ温熱環境を享受できるって視点が見落とされるんじゃないかと思う。たとえば、凸凹した外観よりも凹凸のない外観の方が有利とか、平屋よりも総2階の方が有利とか、中庭をつくると不利だとかが…。

性能を抑えるとか、コストダウンするとかいうと、なんかセコイ感じがする。しかし、高性能の断熱材をつくるには、それなりの資源・エネルギーが消費される。だから、建物の形状で外皮熱性能を抑えられれば、それにこしたことはないのだ。


posted by 王子のきつね at 19:00| Comment(0) | 考察など | 更新情報をチェックする
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