オイラ、OMソーラーの家はアレなんですがw、基礎断熱を考えているので、どーしても無視できないのがシロアリの被害です。そこで読んだのが、神谷忠弘(著)『これで安心!シロアリ対策』(エクスナレッジ、2010年)です。
ちなみに著者は、岡崎シロアリ技研
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岡崎シロアリ技研 | シロアリ調査・駆除・対策・相談を主催し、OMソーラーの家をシロアリに食われた被害者の方々に公演なども行っている駆除業者です。
この本の1~3章はシロアリの生態についてたいへん詳しく書かれています。
日本のシロアリは、北海道の北部を除いて生息しているヤマトシロアリと、山口県以西と黒潮の影響が及ぶ太平洋岸に生息するイエシロアリが中心で、そのほかにカンザイ(乾材)シロアリなどがいます。
ちなみに、シロアリは弱い(毒などをもたない)くせに栄養価の高い(牛肉よりタンパク質が多いw)昆虫なので、アリ・ムカデ・ゲジ・カエルなどの格好の餌食になるそうです。むかしは、これらの動物が床下に住んでいたので、シロアリの被害は未然に防がれていたそうです。
4~5章では、シロアリと家との関係、被害と対策について書いています。
イエシロアリが、集中型で巨大なコロニーをつくり、家一軒を壊すほどの破壊力を持っているのに対して、ヤマトシロアリは、分散型で小さなコロニーをつくり、徐々に食べていきます。
したがって、それぞれのシロアリに合わせた対策を立てなければならないのに、それができていないらしいのです。
ちなみに、シロアリは、かなり頭が悪く、毒があろうがなかろうが食べてしまうので、ヒバ油や炭で防ぐことはできないそうです。
6章ではシロアリ駆除の歴史と薬剤について論じています。
明治あたりからシロアリ駆除業者が登場するのですが、最初のころはシロアリの巣を見つけ、ピンポイントで駆除する方式が中心でした。ところが、戦後になって、強力な薬剤が登場すると、やたらと撒く方式になりました。ところが、撒きすぎると住人の健康に影響が出るようになり、とくに高気密化によってシックハウス症候群の原因の一つとされたため、現在では再びピンポイント方式に戻っているそうです。
7~8章ではシロアリ被害にあわない工夫と自然との共生を論じています。
ちなみに、著者は、シロアリ駆除業者ですが、シロアリをすべて絶滅させるようなやり方はよくないとし、被害状態に合わせて適切な駆除を行うことを主張しています。
で、基礎断熱ですが、著者は基本的には反対の立場です。少々の暑さ寒さはガマンしましょうって…。w
でも、どうしてもやりたい人は、こんな工夫がありますよ、と書いています。

要は、シロアリの侵入が分かるように工夫しなさいとのこと。シロアリ返しは、シロアリの侵入を防ぐのではなく、蟻道(シロアリがつくるチューブ状の通路)を発見するために役立つんだそうです。
posted by 王子のきつね at 11:01|
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